プール・風呂 (浴槽) - 株式会社日本分析
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プール・風呂(浴槽)の検査・分析

1.プール

1-1.プール水

プール水は、遊泳用プールの衛生基準に基づいて検査をする必要があります。 ただし、学校(学校教育法第1条)における水泳プールは学校環境衛生基準があり、それに基づいて検査をする必要があります。

遊泳用プールの衛生基準

健発第0528003号 厚生労働省健康局長通知(平成19年5月28日)

検査項目 基準値 頻度
1 水素イオン濃度 pH値
5.8以上8.6以下
毎月1回以上
2 濁度 2度以下 毎月1回以上
3 過マンガン酸カリウム消費量 12mg/L以下 毎月1回以上
4 遊離残留塩素濃度 0.4mg/L以上
(1.0mg/L以下が望ましい)
少なくとも毎日午前中1回以上及び午後2回以上
(このうち1回は、遊泳者数のピーク時に測定することが望ましい)
5 大腸菌 検出されないこと 毎月1回以上
6 一般細菌 200CFU/mL以下 毎月1回以上
7 総トリハロメタン 暫定目標値
概ね0.2mg/L以下が望ましい
毎年1回以上
(通年営業または夏期営業のプールにあっては6月から9月までの時期、それ以外の時期に営業するプールにあっては水温が高めの時期に行うこと)
8 レジオネラ属菌 検出されないこと 気泡浴槽(ジャグジー)、採暖槽等の設備その他のエアロゾルを発生させやすい設備、または水温が比較的高めの設備がある場合は、検査を年1回以上

塩素消毒に代えて二酸化塩素により消毒を行う場合には、二酸化塩素濃度は0.1mg/L以上0.4mg/L以下であること。また、亜塩素酸濃度は1.2mg/L以下であること。
水質検査の試料採水地点は、矩形のプールではプール内の対角線上におけるほぼ等間隔の位置3箇所以上の水面下20㎝及び循環ろ過装置の取入口付近を原則とし、その他の形状のプールでは、これに準じ、プールの形状に応じた適切な地点とすること。
プール水の温度の原則として22℃以上とすること。また、プール水の温度が均一になるよう配慮すること。
遊離残留塩素濃度、二酸化塩素濃度及び亜塩素酸濃度の測定はDPD法。

水泳プールの衛生基準

平成30年文部科学省告示第60号 学校環境衛生基準(平成30年3月30日)

検査項目 基準値 頻度
1 遊離残留塩素 0.4mg/L以上であること。また、1.0mg/L以下であることが望ましい。 使用日の積算が30日以内ごとに1回行う
2 pH 5.8 以上8.6 以下であること。 使用日の積算が30日以内ごとに1回行う
3 大腸菌 検出されないこと。 使用日の積算が30日以内ごとに1回行う
4 一般細菌 1mL中200 コロニー以下であること。 使用日の積算が30日以内ごとに1回行う
5 有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) 12mg/L以下であること。 使用日の積算が30日以内ごとに1回行う
6 濁度 2度以下であること。 使用日の積算が30日以内ごとに1回行う
7 総トリハロメタン 0.2mg/L以下であることが望ましい。 使用期間中の適切な時期に1回以上行う
循環式プールの場合は、その使用を始めて2~3週間経過した後、入替え式の場合は、その使用が始まり、最初の入替えをする直前に測定することが望ましい ただし、プール水を1週間に1回以上全換水する場合は、検査を省略することができる
8 循環ろ過装置の
処理水
循環ろ過装置の出口における濁度は、0.5 度以下であること。また、0.1度以下であることが望ましい。 毎学年1回、定期に行う

遊離残留塩素の測定はDPD法またはそれと同等以上の精度を有する検査方法。
プールの原水は、飲料水の基準に適合するものであることが望ましい。

2.風呂(浴槽)

2-1.風呂水(浴槽水)

風呂水は「公衆浴場における水質基準等に関する指針」に基づき、浴槽水の水質管理が必要です。

風呂水の水質検査項目

生食発0919第8号 厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官通知(令和元年9月19日)
浴槽水の場合

検査項目 基準値
1 濁度 5度以下
2 有機物(全有機炭素(TOC)の量)
または
過マンガン酸カリウム消費量
8mg/L以下

25mg/L以下

3 大腸菌群 1個/mL以下
4 レジオネラ属菌 検出されないこと(10cfu/100mL未満)

原水・原湯・上り用湯及び上り用水の場合

検査項目 基準値
1 色度 5度以下
2 濁度 2度以下
3 pH値 5.8以上8.6以下
4 有機物(全有機炭素(TOC)の量)
または
過マンガン酸カリウム消費量
3mg/L以下

10mg/L以下

5 大腸菌 検出されないこと
6 レジオネラ属菌 検出されないこと(10cfu/100mL未満)

貯湯槽は、通常の使用時において60℃以上を保ち、かつ、最大使用時においても55℃以上に保つ能力を有する加温装置を設置すること。
浴槽水の消毒は塩素系薬剤を使用し、浴槽水中の遊離残留塩素濃度が0.4mg/L程度を保ち最大1mg/Lを超えないように努めること。また、結合塩素のモノクロラミンの場合には3mg/L程度を保つこと。
原水、原湯、上り用湯及び上り用水、循環ろ過装置を使用していない浴槽水及び毎日完全換水型循環浴槽水は1年に1回以上、連日使用型循環浴槽水は1年に2回以上(浴槽水の消毒が塩素消毒でない場合、1年に4回以上)水質検査を行い、衛生管理が適切に行われているか確認すること。
検査に当たっては、精度管理を行っている検査機関に依頼することが望ましい。

3.レジオネラ属菌

近年、レジオネラ属菌の感染例が多く報告されてきています。定期的なレジオネラ検査をおすすめします。

3-1.レジオネラ属菌の基準

浴槽水・シャワー水など(エアロゾルを直接吸引する恐れのあるもの)

10cfu/100mL未満(検出されないこと)

冷却塔水など(エアロゾルを直接吸引する可能性の低い人口環境水)

100CFU/100mL未満(レジオネラ症防止指針・厚生労働省)

検査頻度、検査内容は、各自治体の条例によって定められていますので、詳細は管轄の保健福祉事務所等にお尋ねください。

3-2.レジオネラ属菌検査ご依頼に当たって

レジオネラ属菌検査は、専用容器(細菌検査用)で採取していただく必要があります。

弊社より容器発送いたしますので、お気軽にお問合せください。

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